パリのバゲットサンド〜うまかったシリーズ④

僕は2003年に飼猫の下半身不随猫トロオちゃんを亡くし、そのこと自体は悲しかったものの、トロオちゃんのケアのために旅行できない(トロオちゃんは自力で排尿排便できなかったので僕がお腹を押して介助していた)という生活から解放された。

その反動からか、阪大臨床哲学時代の恩師・本間先生がパリに留学したことを頼って、1人でパリに旅行してみた。
2週間強パリの本間先生宅にいたのだが、昼間は好き勝手に1人でブラブラしていた。

パリには何でもあるが、すべてが微妙にお高く、ランチのたびにレストランに入る経済的余裕は僕にはなかった。
だから、街のあちこちで気軽に買えるバケットサンドを毎日食べていた。

主にトルコ人らしい人々が経営する、日本の駄菓子屋みたいな佇まいの店(1畳くらいのスペースにごちゃごちゃモノを陳列している)で、300円くらいのバゲットサンドを買っては歩きながら食べた。

なんといってもパン自体がおいしい。おそらく寒くて乾いた気候が発酵させる生地自体がすごいんだろう、どこで買ってもパンはおいしかった。同じ味は、日本では出会わない。

もちろん日本のようにマヨネーズもつかっておらず、オリーブオイルすら使ってないものもあったが(要するに挟んで胡椒とバジルだけ)、それでもおいしかった。

パンと生ハムとチーズは、どこで食べてもおいしかった。それは値段ではない、気候がつくりだすもので、たとえば日本の味噌とか醤油とかうどんなんかも、日本の気候がなければ同じものはつくれないんだと思う。★


こんな感じでした。(ネットから)






数少ないパリの写真(撮影・本間先生)。上がパリのパッサージュ(商店街)、下がどこかのレストラン。
いずれも初期デジカメなので画像荒い。僕は脳出血で倒れる前で少し太り気味。いい思い出です。