■あの事件
SNS時代はまったく自由ではなく、どちらかというと相互の監視社会と名誉毀損社会である。
僕が若い頃(バブル期です)は、いまほどすべてにおいて厳格ではなかった。だから、メディアでも『噂の真相』や『朝日ジャーナル』はがんばってたし、逆に『週刊文春』はそれほど目立つ存在でもなかった。
だがいまは、SNSがもうひとつのメディアとして機能し、うかつな噂話はフェイクと呼ばれ、敏感な大手NPOなどは名誉毀損裁判に持ち込む。
そんな時代に、先週はあの事件が起きた。
名誉毀損時代だから、詳しくは書けない。
だが、若い女性を守るあのNPO代表が「マンスプレイニング」だと割と知性的に批評した一言を、あのNPOの代表の方がかみついた。
すると、そのかみつきに対してたくさんの批判が押し寄せ、かみつき代表が「謝罪」した。
が、その謝罪もマンスプレイニングの一例だとして批判され、現在も議論は終息していない。
■8割がたはオトコ
そのマンスプレイニングぶり=男性ジェンダーの紋切り的あり方は、いくつかの点から分析できる。
思いつくままあげると、
①ソーシャルセクター業界のジェンダーアンバランス
②ソーシャル男性ジェンダーのルサンチマン
③ソーシャル男性ジェンダーのおバカぶりと、一部のできるオトコのエクスプレイニング
等を思いつく。
今回は③が目立つが、その背景には①と②がある。
①は、実はソーシャルセクター業界は、ジェンダーアンバランスな世界だ。言い換えると、ソーシャルと名がつく起業、いや「起業文化」そのものが、ほとんどオトコジェンダーの世界のものである。
もちろん今回のマンスプレイニング事件に巻き込まれたN氏に代表されるように、女性もがんばっている。だが、ソーシャルセクターだけではなく、ベンチャー起業すべてを見渡すと、マネジメント側の8割がたはオトコ社会だ。
たとえば、この「千葉道場」における写真などは興味深い。セミナーの中身は素晴らしいのだろうが、参加者は8割は男だ(累計調達額438億円のスタートアップが集う、口外無用の起業家コミュニティ「千葉道場」)。
■大きな意味ではマンスプレイニング
僕は、今回のマンスプレイニング事件は、ソーシャルセクター業界にとってのひとつの分水嶺になると思っている。
上の①〜③以外にも、ソーシャルセクター男性代表たちの問題点が徐々に暴き出され、それがイコール「劣化」の証明になると予想している。
「劣化する支援」は、その劣化の被害にあった内部からあぶり出されてきた。
予想外だったのは、マンスプレイニング男性代表が、有名女性ソーシャルセクター代表の告発を受けたこと。
これはマンスプレイニング代表だけの問題ではない。女性スタッフたちに助けられているあなたもあなたも、大きな意味ではマンスプレイニング代表だと思う😊
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島根県立美術館のエヴァ展より。 Yahoo!と違って気楽にキャプションできるのがいいわああ😊 |