2011年9月19日月曜日

ハイティーンはなぜ潜在化するのか


ネットの壁紙集から拾った綾波。彼女は14才なのに働いている。
■ニッチ中のニッチ

淡路プラッツは、現代社会の中心問題と化してきた青少年問題の中でも、狭間、つまりニッチな領域を支援対象とする。
そのひとつに、このブログで「ハイティーンひきこもり」と仮に名づけている状態がある。がある。

「ハイティーンひきこもり」とは、中学卒業後挫折体験が続くことによりひきこもり状態になった青年を指すが、この年令こそ、「ニッチ中のニッチ」のひきこもりだ。

つまりは、中学卒業後にひきこもりになってしまうと、相談に行く公的機関がないということだ。いや、たとえば子ども家庭センター(児童相談所)に専門コーナーがあったりはするのだが、担当職員が極端に少なくて現実的に対応できない。

また、各地にある若者サポートステーションも15才以上は対象ではあるものの、二人に一人が大学を目指す我が国で、高校をやめてひきこもりになったとはいえ、いきなり就労にギアチェンジできるかと問われれれば、よほどの経済的事情がない限りは就労しないだろう。で、経済的事情がある人はサポステの助けを借りずともさっさと就労してしまったりする。

■すぐに大人になるので潜在化する

ハイティーンでひきこもっている人のニーズは、いたってシンプルで、つまりは「学校に行きたい」ということなのだ。
そして、「友だちがほしい」。そして、「“普通“”になりたい」。
僕が17才でひきこもったとしてもおそらくそう願うだろう。この日本で、他の友だちは何らかの学校に行くのに、自分だけ働くなんて考えることもできない。
そして、そもそも「働く」というこがまったくイメージできない!

こうしたハイティーンひきこもりの考え・願い・ニーズは決して否定できない。支援者であるならば、そのニーズに寄り添ってあげたいと思うだろう。
けれども、こんなシンプルなニーズをもっているハイティーンひきこもりの青年たちに対して、行政は長らく本格的な取り組みができていない。

なぜか。これもいたってシンプルで、「ハイティーンひきこもりはすぐに(数年で)大人になる」からだ。大人になると、社会参加の目標は「学校」ではなく「就労」になる。そして就労が目標になると、サポステを始めとして社会資源は整ってきている。

■就労支援優先がハイティーンひきこもりを生んだ

また、少し前と違って、20代30代のひきこもりの要因の第一は、不登校ではなく「就労関係の(就職活動中や就職してすぐの)挫折体験」に変化してきた。
このことも、ハイティーンひきこもりを“ニッチ”に追いやる。ひきこもりの直接の原因は就職活動・就労体験がトップなのだから、不登校後の挫折については後回しでいいだろうと。

だが、僕の経験では、このハイティーンひきこもりの段階で丁寧な支援を積み重ねていくと、その後のフォローも必要ではあるが、社会参加率が格段に高くなる。このことは青少年支援者であれば頷いていただけるだろう。
だが今のところは、NPOやその他カウンセラーとのラッキーな出会いがないと、彼らは立派なハイティーンひきこもりとして停滞の中に留まる。

と言いながら、具体的な「仕組み」を提案できる段階には今日のところは至っていない。今回は、誰もが気づきながら「そのうちほっとけば20才になって課題を“就労”に絞り込めるから」と放置されているハイティーンひきこもりに対して、何らかのシステムづくりにとりかかる、という宣言だ。 

繰り返すが、適切な支援さえできれば、ハイティーンひきこもりの自立スピードは早い。ハイティーンでひきこもっている数年間をひきこもらない数年間に変えることができるのだ。
キーは、こうしたハイティーンひきこもりという「ジャンル」づくりと、そのジャンルに基づいた支援システムづくりだと思う。言葉(概念)を提案できれば、社会は動く。★