青少年支援の「ブルーオーシャン」〜“潜在性”へのアプローチ〜



そういえば21日のイベント(ニート800人集会http://osaka1gan.jp/news/25.html)の出演体験レポートもしないまま、先月から今月にかけて怒涛の10日間が過ぎた。
ああ、忙しいってこういうことだったなあと思いながら僕は何とかすべてこなしたのだが、そうしてのんびりしていると、いきなり当ブログの閲覧数が4.,000を超えた日があった。

それは結局、ヤフーニュース経済版の大阪特集の中に当ブログがなぜかリンクされたことが原因だったのだが、いつもは多くて200くらいの閲覧数が、あれよあれよという間に4,000まで行ったのだから最初は訳がわからなかった(ここにヤフーのバックナンバーがあります→http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=7622656&e=retail)。

取り上げられたブログ記事も、橋下市長の本の書評にパリと大阪の大きさをからませたもの(http://toroo4ever.blogspot.com/2012/01/blog-post_09.html)だったから、いやー、世の中何がきっかけになるかわかりませんねー。

翌日からは見事にいつもの閲覧ペースに戻ったから、寂しくもありホッとした感もあるものの、このネット社会では、何かのきっかけで眠っている「潜在層」とネットワークできる可能性があるんだとまざまざと見せつけられたのであった。

この話題とは直接結びつかないものの、この頃僕は、前にもまして「青少年支援分野の『ブルーオーシャン(未開拓市場)』はどこにあるんだろうと考えている。
ブルーオーシャンは流行りの経営学用語らしく、当ブログの読者は青少年自立支援の現場に関わる人達が大半だと思うので、「市場」といったドライな語感には反感を抱かれるかもしれない(関心ある方は『「ブルーオーシャン戦略」がわかる本』中野明/秀和システム、等をご参照を)。

ブルーオーシャンは二種類あり、それは①まったく新しい市場の創造、②市場の「境界」を引き直すであり、考案者のキムらは②を主としてブルーオーシャン戦略だとする(たとえばスターバックスのような新しいコーヒーショップの「創造」)。

僕は、青少年支援においては、①の困難なブルーオーシャンのほうが有効性があると思っている。わざわざ新しく境界線を引いて市場を再創造しなくとも、青少年自立支援の分野には「手のつけられていない市場=第一の意味でのブルーオーシャン」がそのまま横たわっているからだ。

そうした「①ブルーオーシャン層」(当ブログ・スモールステップ表の①〜③〜スモールステップ支援スケールVer.1.0http://toroo4ever.blogspot.com/2011/12/ver10.html)は数十万人はいると思うが、「年金未払い」フリーターとその家族のニーズまで含めると、もしかすると数百万単位のブルーオーシャンがそこにはあるかもしれない。
ただ、プラッツとしては、真の意味での「潜在的な存在」=支援者とタッチしていないひきこもり層に焦点を絞り込みたいと思っている。年金未払いフリーター(といってもそれはニート層と相当クロスしている)の問題は既存の支援システムの拡大でもカバーできると思う。

「①ブルーオーシャン層」にアウトリーチしていくことは、ひきこもり問題の最大の課題の1つとして昔から位置づけられており、まずは「訪問活動」だろうということで多くの人がチャレンジしてきた。
僕も10年以上取り組んできたが、訪問とその先に続く支援機関といった一連の「アウトリーチシステム」の一環として訪問活動を位置づけないと、なかなか社会参加まで導くのは難しい。

そうしたアウトリーチシステム構築の中に、僕はやはり「保護者」をどう巻き込んでいくかがポイントだと思う。
その際の手法として、たとえば「カフェ」は有効だと思えてきた。哲学カフェやワールドカフェのはやりの流れに乗るように、プラッツも「おやカフェ」を開いてみようかな。

大規模な潜在的市場の存在と、その市場自身から「(潜在的ではあるが)ニーズ」があるという点で、やはりここに絞り込みたい。そのことで、プラッツ自身が、過酷なレッドオーシャン(たとえば地域若者サポートステーションの奪い合い等)から抜け出て、澄み切ったブルーオーシャンに行くことができるかもしれない。★