2012年9月24日月曜日

スモールステップスケールver.3.0


■3.0にバージョンアップ

このところまた講演する機会が多くなり、とはいっても以前よりはだいぶ肩の力の入らない脱力系講演なのではあるが、ひきこもり・ニート支援にとどまらず、やはりNPO経営や日本社会の行く末などにも話が及んでしまう。

基本的にフリートークなのだけれども、何か指標のようなものは必要だろうと思って、例の「スモールステップスケール」をコピーした簡単なレジュメを用意していく。
そのレジュメを見ながら説明するのだけれども、従来のレジュメでは、「生活支援」や「キーパーソン」の中身について、あまり親切ではないということに気づいた。

そこで、ver.3.0として、下記の新スケールをつくってみた(これまでと同じくコピーフリーなので、関心ある方はどんどん使ってくださいね〜)。


ひきこもり・ニート/スモールステップスケールver.3.0©2012 NPO法人淡路プラッツ/田中俊英)
支援のステップ
本人のステップ
スモールステップの指標
状態
スモールステップのタイプ
家族
外出
支援施設/
キーパーソン
就労  
A.アウトリーチ支援
1.ひきこもり
①親子間断絶
②外出不可
③外出可
B.生活支援
2.ニート
④〈イバショと面談〉A
      イバショ:コミュニケーション(トーク)
      面談:心理カウンセリング/プチミー
④〈イバショと面談〉B
      イバショ:生活訓練(調理・清掃等)
      面談:心理カウンセリング/プチミー
④〈イバショと面談〉C
      イバショ:レクリェーション(買物・カラオケ・旅行等)
      面談:心理カウンセリング/プチミー


★…規範・規律等からある程度自由な「変な大人」の支援が有効

C.就労支援
⑤就労面談
⑥短期就労実習
⑦長期就労実習
⑧短期アルバイト
⑨長期アルバイト
◎−
⑩契約社員/正社員


































2.0(スモールステップスケールver.2.0)からは、Bの生活支援をだいぶ変えてみた。変更点を整理すると下記のようになる。

■「プチミー」を明記

プチミーとはプチミーティングのことで、アウトリーチに成功し淡路プラッツ(委託事業て含む)に子ども・若者がやってきたとしても、すぐに居場所/イバショに定着できるわけではない。
最初は通常の心理カウンセリングから出発し、趣味のトークも交えた1対1面談を地道に進める。

カウンセラーと子ども・若者が納得した段階で、イバショ(普遍性を持たせるためカタカナ表記にしている)へと接続していく(当然担当カウンセラーが同行する)。
だが、イバショは、なかなか気をつかうスペースだ。そこにいるのは、慣れたスタッフや、自分と同じようにひきこもり体験をもつ若者たちばかりなのだが、人が2人以上集えば、ひきこもり体験があろうがベテランスタッフだろうが、やはり気をつかってしまうものだ。

長くひきこもっていると、この気づかいそのものにたいへんな労力を感じてしまう。そのため、せっかくのイバショに溶けこむ気力が萎えそうになる。
そのとき、担当カウンセラーと簡単な振り返りや「自分がどういう点で気をつかっているか」ということを短時間(10分ほど)振り返る。

僕の経験では、この10分ほどの振り返りが結構効く。この振り返りをせずにプラッツ(関連施設)を帰るのと、振り返りをしてある程度すっきりして帰るのとでは、以後のモチベーションがまったく変わってくる。
一言でいうと、このプチミーあってこその「イバショ」支援なのだ。これは地味ではあるが、生活支援には欠かせない必須の要素だ。

10年くらい前から内輪でプチミープチミーと言ってきたのであるが、この前現場のスタッフとしゃべっていたら、いつのまにかこれが一般化し始めていた。
自分で考えた適当な言葉なので恥ずかしかったものの、この「プチミー」は、イバショ支援の可視化の象徴(つまりイバショは効果はあるのだがそれが見えにくいため、細かく言語化していく必要がある)のような気がしたので、あえてそのまま使うことにした。

■「変な大人」も可視化

今回の変更点のもう一つは、当ブログで何回も言及してきた「変な大人」について、その理論的有効性を取り入れたということだ
変な大人については、8月12日ブログ変な大人は複数になるの末尾にこれまでの変な大人論を6本(結構書いたものだ)をまとめているのでご参照を。

今回の表では、★印でキーパーソンを示し、そこに「変な大人」の可能性に触れている。まあキーパーソンが変な大人ばかりでもダメで、ここに臨床心理士やPSWもうまく配置すると、子ども・若者には有効に機能するだろう。

あ、そういえば10/6にプラッツ主催で20周年シンポジウムが開催されるのだが、うっかり宣伝を忘れていたらまだほとんど申込みがないらしい!!
当日、閑古鳥であればそれはそれである種の転換(もう理念的シンポジウムの時代はすぎ、もっと実用的で方法論的な少人数のセミナーにニーズが移行した)を例証するのだが、それでもこうした集いを必要とする人はまだまだいらっしゃる気もしています。

ご関心ある方はこのリンクを。イバショ〜なぜ子ども・若者に必要なのか
20周年なので、無料なんです〜。★