ミッションと戦略は、「組織維持」が目標ではない


■事後的かつ「組織維持」になる、目標

NPO等のソーシャルセクターの経営・運営に関して、日本独自のテーマかもしれない問題が僕には徐々に判明してきた。

いままで、ビジョンやミッション、戦略の必要性を折に触れて語ってきてつもりではあるが、僕自身の課題も含めて、いかにそれらが日本においては困難なのか、その原因がだんだんわかってきたということだ。

それはつまり、日本の場合は、目標が「あとづけ」、言い換えると「事後的に目標が設定される」という特徴がどうもあるようなのだ。

池田本のなかでは一番おもしろかった。
原発に対する考えがもうちょっとゆるければなあ。



目標やミッションが後付のため、その都度とられる戦術も、次から次に現れる目の前の問題にその場しのぎで対応していくことになる。
また目標が事後的なことから、数年単位の戦略らしいものを描けず、短期決戦に備えた戦術・作戦で終わってしまう。

目標が事後的になり、同時にその目標は「組織維持」になりがちだから、戦略(そもそも明確なものはないのだが)の終着点が描けない。
すると、「誘い話」にすべて乗って行くことになり、気がつけば組織が散漫に拡大していく。
戦略の明確な終着点(目標)がないから、これは、その組織が行なっている事業が終わりある事業であればそこで終われるが(たとえば戦争)、終わりない事業の場合(ビジネス全般)、終わりなき組織拡大か倒産・解散かどちらしかない(倒産しないのは、「潮目」を読める経営判断が優秀だということだろう)。

これはどうやら僕だけの特徴(それを克服しようと日々がんばってはいるが)でもなく、ソーシャルセクター全般の特徴でもなく、どうやら「日本」の特徴のようだ。

■リストカットの若者のように

池田信夫著『「空気」の構造』によると、この特徴は旧日本軍のものだけではないそうだが、やはり旧日本軍はその傾向がティピカルに現れた。

日本軍は対米戦争の目的を「自存自衛をまっとうし大東亜の新秩序を建設する」こととしていたそうだ。
が、「自存自衛」の解説がなく、言い換えると「自己組織の存続再優先」が最優先であり、自己組織(日本という国体と日本軍)が維持され続けると、それがアジアの平和と秩序維持につながっていくのだ、というおそろしく自己中というか自家中毒気味の戦争目的だった。

その結果、立てられる作戦は短期集中場当たり主義的なものが多く、たとえば「戦闘機は壊滅させるが燃料庫はそのまま放置」(パールハーバー)などの場当たり的な戦闘が多くみられたという。

目的そのものが、たとえば「来るべき本格的な工業化の時代を迎えて精密産業を中心に備え、そのために◯◯の領土を獲得して人口を2億人にする」等の明確なものがあれば、どの国をどう効果的に攻撃し、補給装備や機密保持などにも目配りできたのかもしれない。

が、目的は自家中毒的な「自存自衛」だから、自己組織がとりあえず継続するための作戦であればとりあえずやってみる、ということになる。
このような発想、日本軍だけにとどまらず、日本の組織全般にあてはまることではないだろうか。

おもろしいのは、資金的に脆弱なソーシャルセクターのほうが、以上のような「自存自衛」ミッションをとりがちだということ。
それはまるでリストカットをする若者のように、初めは生真面目な動機(若者は「自分を見つめてほしい」、多くのNPOは「目の前の課題を解決したい」)から始まるのであるが、やがてはアディクション的な行動(若者は「リストカットが気持ちいい」、NPOは「組織維持=社員の給料のため」)へと移行していくのに似ている。

それもすべてはミッションや戦略の目標を事前にたてられず、組織維持のための自家中毒的なものを事後的に設定していまうからだ。

■みんな「目標」が苦手

池田氏はその原因として、欧米に比べ日本は本格的な対外戦争が第二次大戦までなかったためとしているが、僕は、当ブログでも再三言及するように、定期的に襲来する地震等の大災害もその原因ではと思っている(短期的な「はかなさ」が重用な価値になる)。

まあ原因はどうでもいい。
ポイントは、組織維持は目標でないにもかかわらずそれが目標になりがちであり、本格的なミッションと戦略が苦手なのは個々の特性ではなく、どうやら「国民性」にまで深く掘り下げる必要がある、ということだ。

ということは、僕も、あなたも、「目標」が苦手ということです。まずはそこから始めましょうか。★



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【日程・場所】
■ 9月21日(土)10:00~12:00@住吉区民センター図書館棟集会室3「親が踏んではいけない“地雷”とはなにか」
■ 10月5日(土)10:00~12:00@住吉区民センター図書館棟集会室3「親離れと子離れ、具体的な社会参加のかたち」
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