ミッションがあとまわしになる、ソーシャルセクターの3つの理由


■Googleブログは500アクセスだからこそマニアックに

前回の年始の当Googleブログで「新ビジョン・ミッション・行動指針」を書いたのだが(新ビジョン・新ミッション・新行動指針)、ああした「ビジョン→ミッション→行動指針→戦略(法人戦略→各「事業」戦略/各「機能別(財務・マーケティング・企画等)」戦略)という「落し込み」のかたちに、やっと当ドーナツトークもたどり着くことができたと、実は感慨深い。

このGoogleブログは、時事問題(階級社会から発達障がいまで幅広い)を扱うYahoo!ブログ(http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakatoshihide/)とは違って、ソーシャルセクター経営論やアニメ論までできるだけマニアックな路線で書いていこうと思っている。

Yahoo!ブログは5,000程度のアクセス数があるが、当Googleブログは500あったらいいほうだ。
が、3年前の脳出血後からこのブログを始めたおかげでここまで回復できたという思いが僕にはあり、一番深いアイデンティティにこのGoogleブログがあると思っている。

今回は、前回のような「ミッションから戦略への落とし込み」という流れを、多くのソーシャルセクターはなぜできないか、ということを簡単に考えてみたい。

■①人事戦略がない、②「競争」優先、③理念苦手

僕がネットなどを見て感心するのは、たとえばこのNPO法人フローレンスさんのページ(http://www.florence.or.jp/about/vision/)だったりするのだが、このように明確に「ビジョン→ミッション→アイデンティティ(フローレンスさんにはこの項目がある)→行動指針」という流れを明記しているソーシャルセクターのほうが圧倒的少数派だと思っている。

NPOフローレンスさんHPより
圧倒的な経営眼の確かさ


それはなぜか、ということを、あらためて今回は書いてみる。それを、流行りの「ミッションがあとまわしになる、3つの理由」みたいな表現で括ってみよう。

1.人事戦略が短期的だから

別の言い方をすると、「単年度の委託事業がほとんどの青少年分野において、単年度雇用したものの1年で契約解除ができす、翌年度以降のスタッフの人件費確保のため、とにかく新規の委託事業探しに必死になる」という、こう書いてしまえば身も蓋もないものの、実は全国の(子ども若者支援)NPOで起こっている現象がある。

これは、「目の前の課題解決型NPO」によく起こる現象で、NPOの経営者は一生懸命サービス受給者とスタッフの幸福を考えている。どちらも幸せにと思って行動しているのだが、その結果、法人そのもののビジョンや戦略が曖昧になってくる。

これは、たとえば医療法人や社会福祉法人であればまったく問題ない。
なぜなら、医療法人と社会福祉法人は、「目の前の課題(疾病や障害)」を解決するために設立される社会的な法人だからだ。
だからこのような団体は、NPOのような「新しいソーシャルセクター」の形態ではなく、従来の問題の枠内(〇〇病や〇〇障害)で困っている人の問題解決を行なう旧来の社会福祉法人のような法人形態になることをお勧めする。

この場合、ミッションは「疾病を治す/障害を支える」となり、「社会」的要素は薄くなるが、代わりに業務そのものは限りなくシンプルになる。
それは、旧来の株式会社が究極的には「◯◯を行なう(たとえば「革新的な製品とサービスで革命を起こし続ける」〈←アップル〉)ために利益をあげる」というのと同じで、「疾病を治療するために、病院経営をする」というのに似ている。
いやそれは、アップル等のイノベーティブな会社よりも遥かに保守的かもしれない。

2.カネや「競争」優先

これは、15年前であれば、単に「ベンチャー企業」になっていた団体。
僕はこれを「ソーシャル・アントレプレナー型ベンチャータイプ」と括った。

このタイプは、やりたいことは大雑把にあるものの(たとえば◯◯問題解決)、その根底には、「新しいジャンルでグローバリゼーション世界の競争に勝ち抜く!!」という企業家(起業家というよりは企業家)スピリットが横たわっている。

このタイプがあって初めて、我々の資本主義社会は成り立つので僕は歓迎するが、ソーシャルセクターとしては立ち位置のバランスをとることが難しい。
が、ソーシャルセクターといっても財政的にしっかりして初めてそのセクターは維持できるという考えもあるから、旧来の日本的経営姿勢としては非常に保守的でもある(反対に僕は、仮にドーナツトークのミッションが弱く財政的に脆弱になれば結果として潰れてもいいと思う)

つまりは「儲けて競争に勝って初めて理念は生まれる」という考え方でもある。
理念(ミッション)が先か、儲けや勝利が先か、これは我が国のようなソーシャルセクター史が新しいエリアでは当分続く論争だろう。

これについては、究極的には、経営者の「好み」に行き着くと僕は思う。理念が好きな経営者は「ソーシャル・アントレプレナー型社会変革タイプ」になるし、競争が好きな経営者は「ソーシャル・アントレプレナー型ベンチャータイプ」になると思う。
これは、好みと性格の問題だ。

3.理念が苦手

ビジョンやミッションのような「理念」がどうしても苦手という人が世の中にはおり、それはそれで仕方ないと僕は思う。

以上、思いつくまま書いたが、裏返すと「ソーシャルセクター」議論を補足するものにもなった。今のところの僕のソーシャルセクター論はこの記事をご参照ください(http://toroo4ever.blogspot.jp/2013/12/blog-post_20.html)。

ではみなさま、今年もよろしくお願いします!!★














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