魔法の時間への扉〜高校デビュー


■「お誕生日おめでとうソング」

時々僕はやるのだが、クライエントというか面談相手の若者や子どもが誕生日を迎えた時、「お誕生日おめでとうソング」を伝える。

別にUSBにデータを入れてプレゼントするわけでもなく、単に曲名を伝えるだけなのだが、おもしろいことに何となく「贈った感/贈られた感」がその瞬間訪れる。

先日久しぶりにその瞬間が訪れ、僕はその女子(15才くらい)に何をブレゼント(というか曲名を伝えるだけだが)しようか考え、ぱっと思いついたのたがオザケンとセカオワの「フクロウの声がきこえる」だった。
フクロウの声が聞こえる--小沢健二とSEKAI-NO-OWARI



聞けば聞くほどオザワの才能と祝カムバック感に包まれ嬉しくなってくるのだが、同時に、これは何となく15才には届きにくいかなと思った。

それで考え直したのが宇多田の「花束を君に」だったが、これは宇多田の母の藤圭子へのタムケの歌であり、若々しい母と仲の良いその女子にはちょっと早すぎるというか重すぎる。

プレゼント的にはオザケンのフクロウでそれなりの体をなしたような瞬間になったものの、最後に思いついたのが「まほうのとびら」だった。


「まほうのとびら」は16曲目

だいすけ・たくみコンビの超名曲であるこの「まほうのとびら」は、聞けば聞くほど味わいというか深みのある曲だ。

そしてこの「とびらの先」を考える時、15才の彼女がこれから突入するであろうハイティーンというマジカルな数年間のことを考えてしまう。

ハイティーンとは、魔物に会う数年間、あるいはあの夕暮れ時の不思議な時間(逢魔が刻/大島弓子)との親和性、人間の一生の中でも最も謎な数年間、マジカルミステリーであり同時に最も魅力的な数年間であるように思う。

ハイティーン当事者からすると、人生の中で最もしんどい数年間かもしれない(僕はそうだった)。
けれどもそこで受けた刻印は、死ぬまでその人を揺さぶり続ける(僕がそう)。

■魔法の時間への扉

そんなことも含めて、魔法の時間への扉に君は立っているんだよ、そしてその高校デビューは、母親や父親や中学や(僕の)支援を受けておそらく成功するだろう、だからマジカルミステリーツアーにあと4ヶ月後に君は突入するよ、という意味を込めて、この曲を最後の最後に伝えたのだった。

そんなわけで、今回のお誕生日おめでとうソングは、だいすけ・たくみで決まった😊