ノーマスクはパンクロック〜「感染予防」の象徴から「マナーと規範」の象徴になったマスク

 ■感染力は弱く、集団免疫拡大中


この半年世界を激震させたコロナウィルスそのものは、

①感染力は弱め、

②現在は集団免疫拡大中、

あたりで収束しつつある。

この頃はたくさん文献も出てきているが、ネットで気軽に読めるものとして、①については、

医療 転載ブログ PCR陽性が爆増なのにどうして重症者が全く増えないのか、謎が解けた‼︎

②については、

新型コロナ感染で、日本はすでに「集団免疫状態」にあるという説の根拠

等をご参照ください。

日本は何やかや言っても言論の自由はそれなりに保障されており、コロナの最新の知見については、検索を2時間くらい重ねていくと、現状をだいたいは把握できる。

普通のカゼとまでは言わないが、今回のコロナは、インフルと大差ない(いわゆる「5類」の)感染症だ。

これも、小林よしりんをはじめとして、たくさんの識者が結論化している(小林よしのり『コロナ論』が大反響「日本のコロナパニックはインフォデミックだ」


■「マスク」が復活


そういう流れを受け、また緊急事態宣言を出した首相も交代したこともあり、9月はじめは大阪の街のマスク率もだいぶ減少していた(100%から80%ほどへ)。

だが、首相もせっかく交代して責任の所在を曖昧にできるというのに、ここにきて国民が率先してマスク率をあげているように思える。

ドーナツトークの事務所は大阪市阿倍野区という、大阪ど真ん中にあるのでその動きをよく実感できるのだが、この10日ほど、あきらかにマスク率が上がってきている。

また僕の自宅は四国の徳島県にあり、毎週末四国と大阪を往復していることを受けてその実感を述べると、徳島のマスク率は一向に下がらない。

これは、上の「謎のマスク率回復」とともに、大都市より地方は2ヶ月ほど遅れているコロナ情報の把握、といった諸事態が重なっていることが原因だろう。

いずれにしろ、いま、「マスク」が再び復活しつつある。


■マスクは「感染予防」の象徴から、「マナーと規範」の象徴になった


なぜここに来て復活し始めたのか、毎日僕は考えているのだが、今のところの結論は、

マスクは「感染予防」の象徴から、「マナーと規範」の象徴になった

ということだ。

数週間前までは、基本的にマスクしない僕に対して、だいぶ風通しもきつかった(高速バスの運転手にマスクを求められる等)。

けれども、ここ2週間ほどは、前述したように、ノーマスクでもずいぶんシリアス度が下がったような感触を得ている。マスクしなくても、高速バスの運転手はもちろん、ユニクロとアップル以外の社員は適当にスルーするようになり、「ノーマスクでも自由に」みたいな雰囲気で迎えられている。

ノーマスクに対しては、世間の空気はだいぶ緩和し始めた。けれども、マスク率はそれと反比例するように上がってきている。


■ パンクロック化


マナーは、その社会の「礼儀」のことだ。

規範は、その社会の「暗黙の了解」のことだ。

たとえば、「学校に通う」という行為を例に取ると、その礼儀とは「制服を着る、校則を守る」あたりになるだろう。マナーとは日常生活のささやかな決め事、程度のもの。

規範はもう少し大きく、「学校に(毎日)行く」ということになる。規範は道徳(たとえば「人を殺してはいけない」等、それは重い)よりも軽いものの、日常のマナーよりは重い。

けれども、規範にしろマナーにしろ、それらは見えないが我々の生活を縛る。生活が厳しければ「学校に行く」などは規範にはならないものの(戦後すぐはそうだった)、それが規範化すれば我々の日常生活を強烈に縛る。

「マスク」は、当初の感染予防のグッズから、現在、社会規範とマナーを象徴するグッズになろうとしている。

それは、あの「ネクタイ」にも似ている。高度成長期からバブル期に至るまで、ネクタイは仕事をする人にとって必須のグッズと礼儀と規範だった。

それが、今世紀になり、ダラダラと非規範化・非マナー化され、現在では(夏以外にも)それをしない理由を説明できれば厳密なマナーでもなくなった。

マスクの現在を誰も分析しないのでわかりにくいが、それは、感染予防グッズではなくマナーと規範のグッズになっている。

それは、感染予防グッズであるならば、実は頼りない。マスク表面を時々手で触り、その手であちこち触ることでウィルスを拡散させてしまうから。

だがマスクはマナーの象徴になった。

その象徴は感染予防グッズとしては心もとない。人々はそんなことはもはやどうでもよく、みんなが一体となってコロナ撲滅に行動している動きの規範の象徴としてマスクを受け入れている。

言い換えるとマナーと規範を破るノーマスクは、パンクロックみたいな態度表明attitude expressionへとスライドしてきている。



             クラッシュ「ロンドンコーリング」